日々の記帳と経営 ③
介祉塾の砂です。
前回まで、記帳ができていないとどうなるのか、簡単に説明しました。
今回は、どうしても節税がしたくて伸び悩んだ会社についてです。
この会社は訪問介護と居宅介護支援を運営していて、年商は約1億円でした。
5年ほど前の決算末直前に、利益が7百万円ほど出ることが判明しました。
単純に当時の実効税率を40%とすると、3.2百万円の税金を支払うことになります。
どうしても節税がしたかったので、税理士のアドバイスに従い、年額8百万円の生命保険に加入しました。
半額の4百万円が損金として節税になります。
※ 大抵の会計事務所は保険代理店を兼ねているか、保険代理店と提携しています。
その後も年額保険料を支払うために、その会社は金融機関から6千万円を借り入れました。
また利益が出るたびに、生命保険の解約返戻金が低い段階で個人に契約を譲渡し、差額分を特別損失として計上していました。
※ 個人の一時所得は増えます。
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本当に良い経営判断だったのでしょうか?
確かに節税になったのだと思います。
しかしながら、6千万円の借入があればそこそこの規模のデイサービスを1~2軒オープンすることができます。
その会社の事業は訪問介護と居宅介護支援だけであったので、ステップアップになりました。
会社の規模が大きくなり、売上・利益がもっと増えたかもしれません。
きちんと自社の数字が見えていないと、きちんとした判断ができないのですよね。
いつまでも同じままでいられるわけではないので、未来投資は大切です。
自社の記帳はある程度は社内で行うべきです。
経営にとって有効な手立てを取る機会を失うことになるからです。
経営管理のご相談は介祉塾に。