シニアの創業で成功する条件 ①

介祉塾の砂です。

 

最近、市町村や商工会議所などの主催でたくさんシニアの創業塾が開催されています。

 

 

 

背景としては、色々あります。

 

① 少子高齢化により、労働力が不足しているので、シニアの労働力を確保すること。

 

② 平均寿命の伸長や 年金受給年齢の引き上げを見越して、シニアに稼ぐ手段を身に着けてもらうこと。

 

③ 創業の減少で雇用の受け皿が減っているので、シニアの創業者を増やすこと。

 

他にも色々ありますが、日本の社会経済の変化により、シニアに期待される役割が変わってきたということです。

 

 

そして、このような創業塾では、大体は「介護保険外サービス」「介護予防サービス」(※)などのシニアビジネスでの起業を薦めます。

 

※ 介護保険外サービスや介護予防サービスとは、ゴミ出し、掃除、洗濯、買物など身の回りのお世話や健康体操教室、旅行・外出サービスなど一部介護保険では提供できないサービスを言います。

 

根拠としては、「シニアのことはシニアがもっとも知っている」「地域社会に貢献することはやりがいにつながる」「シニア市場は伸びる」といったものです。

 

しかし、前者の「シニアのことはシニアがもっとも知っている」という理由は疑問に思います。

 

私は40歳ですが、40歳のファッションに詳しくないです。

 

もともとトレンドに敏感ではないからですが、敏感であったとしてもアパレルやマスコミ業界にいる人と違って、プロではないので知識が浅薄だからです。

 

同じように、シニアをもっとも知っているのは、シニアに近い介護や医療業界の専門職であって、シニアではないです。

 

 

ところで、近時の介護保険制度改正で、訪問介護の生活援助(掃除・洗濯・ゴミ出しなど)の資格要件を緩和され、生活支援ヘルパーが対応できるようになりました。

 

資格取得の主なターゲットはシニア層と主婦層で、シニアの活躍が期待されています。

 

しかし、実際に介護人材の不足を埋める効果はあまり上がっていません。

 

なぜでしょうか?

 

それは、生活援助であってもシニアだからシニアが分かるという安直な理由では務まらないからです。

 

介護の仕事は生活援助であっても、利用者に寄り添うものでなければならず、知識や経験、コミュニケーション力、(特に)体力が必要なのです。

 

したがって、必ずしもシニアだからといって務まるものではありません。

 

このように、「シニアのことはシニアがもっとも知っている」のではないのです。

 

 

後者2者の「地域社会に貢献することはやりがいにつながる」「シニア市場は伸びる」という理由も疑問ですが、それについては次回に。

 

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