介護福祉経営と外部環境 ①
いよいよ4月に介護報酬が改定されます。
介護事業者にとっては収入に直結するだけに、とても注目度は高いです。
どうなるのか、この時期になると行政からのアナウンスメントを心待ちにされている経営者が多いと思います。
ところで、このような国の施策をあらかじめ予想しておくことはそれほど難しくありません。
3年、5年前ぐらいから、大体予想が付きます。
一つは、ミクロ的な視点です。
国の施策が決定する前に、判断資料の収集として調査研究事業が行われます。
大体結論あり気の調査なのですが、国の施策には裏付けが必要なので、この報告書が参考になります。
二つは、マクロ的な視点です。
予算は単年度主義ですが、一旦予算化されると硬直化し、翌年度も同じように引き継がれます。
国の経済や社会情勢が大きく変わらない限り、計画時点の内容が優先され、あまり見直されないということです。
介護保険の場合、ミクロ的には毎年「介護経営実態調査」が行われますし、その他にも様々な調査が行われます。
こういった報告書が上がる時点で、どのサービスが報酬改定の対象となるのか、おおよそ分かります。
また、マクロ的には療養病床のように一旦制度を作ったら、廃止することが難しくなります。(※1)。
住宅型有料老人ホームと新たに創設されたサービス付き高齢者向け住宅、利用者の立場からしたら機能的にはほとんど同じです。(※2)。
つまり、良く言えば安定的ですが、悪く言えば新しい施策も硬直的になります。
このようなミクロとマクロの視点を持てば、おおよそ予想ができます。
もっと言うと、前回の介護報酬改定時点(つまり3年前)での次回予想がほぼ当てはまることになります。
あまり身構えずに、行政のアナウンスメントを待たれると良いと思います。
※1 2018年4月から介護医療院への転換が進められます(予定)。
※2 所轄省庁や設備基準などは異なります。