最新2018年度改正(老健の多剤投薬と減薬)
介祉塾の砂です。
先日、『「ポリファーマシー」って、なあに?』という研修会に参加しました。
講師は薬剤師と薬局事務長の2名の先生でした。
ところで、ポリファーマシーとは「多剤併用の患者で、薬剤による有害事象が起こっている状態」を言います。
私は専門外なので研修会で聞いた話を言うと、統計的に見た場合に摂取しているお薬の量が6種類と5種類では、副作用の発現頻度に差があるとのことです。
![]() |
患者は、たくさんの病院・診療所を数珠つなぎに受診するため、処方箋をたくさんもらい薬局で調剤してもらいます。
ところが、こうしたお薬の調整をせずに飲むと、お薬が身体にとって逆効果になることがあります。
そこで、かかりつけの薬剤師を決め、きちんと管理してもらうことで、ポリファーマシーを予防できるのだそうです。
お薬手帳は患者にとって「持ち運べるカルテ」なので、活用してほしいとのことでした。
最近は、薬局の地域連携が診療点数に反映されるようになりました。
しかし、かかりつけ薬剤師の認知度は低いようです。
ところで、介護保険についても同じことが言えます。
例えば、薬剤師の居宅療養管理指導について、お薬の運び屋にしか思っていない利用者が多いです。
利用者の家族も、残薬の整理と服薬管理しかしていないと勘違いしていることも多いです。
また、訪問看護の看護師もお薬にある程度知識があるので、薬剤師との連携を好まないことがあります。
さらに、処方箋を出す医師も客商売のため、患者がお薬を欲しがれば出さざるを得ず、断りにくい立場にあります。
医師は薬剤師からの要望を受け入れにくいとのことです。
しかし、講師の先生は、それ以上の問題として、医療は医師を頂点としたピラミッド構造であり、そのため患者本位になりにくい実態があると説明していました。
そのため、患者がお薬に対する知識を深め、むやみやたらに摂取することを改めることがポリファーマシーを予防するうえで重要であるとのことでした。
さて、医療との関連で2018年度から老健での減薬が評価されることになりました。
かかりつけ医連携薬剤調整加算 125単位/日
主な要件は、「老健の医師とかかりつけ医の事前の合意」と「6種類以上の投薬について1種類以上の減薬」
この点について、講師の先生は加算取得の動きは少ないだろうと言っていました。
老健側にとっては加算以外にお薬代の費用削減が見込めるのでメリットがあるとしても、かかりつけ医側にメリットが少ないことと(※1)、利用者が減薬を求めない(※2)可能性が高いからです。
※1 医療報酬改定で薬剤適正使用連携加算(30点)が新設されました。
※2 要件ではないですが、インフォームドコンセントは必要かと。
また、医師は専門分野が多岐に分かれており、他の医師の関与を好まない傾向があるため、お互いに連携したがらないからだとのことでした。
なお、ポリファーマシーの問題について講師の先生は「みんな悪気があって自分の立場を優先しているわけではないのでしょうが、それがもっとも大きな問題です」と言っていました。
私にとって、その言葉がもっとも印象的でした。