介護と技術革新- ケアプランのAI化 ⑥-

介祉塾の砂です。

 

最近、ケアマネさんと話すことが多いです

 

その中で、ケアプランのAI化については、特に関心が高いため話題になります。

 

使えるか・使えないか、役に立つか・役に立たないか、ということよりも、AIが一体何なのか分からない人が多いです。

 

私は、簡単に要介護認定の一次情報を入力すると、自動的にケアプランが生成させるのだと伝えています。

 

これに対してケアマネさんの反応は様々ですが、総じて自分ごととしては考えていないように思いました。

 

 

ところで、先進的技術が普及するときの過程について、イノベーター理論というものがあります。

 

 

要約すると、先進的技術が広く一般的に普及するには深い溝があって、「新しければ何でも使いたい変わり者」のイノベーター(全体の2.5%)と「新しいものでもメリットを感じて使う」アーリーアダプター(全体の13.5%)が利用したとしても、さらにその先のユーザーを獲得するには簡単にはいかないというものです。

 

このイノベーターとアーリーアダプターを足した16%を閾値(いきち)といったりします。

 

で、何が言いたいかというと、大抵に人にとって先進的な技術は関心事ではないということなので、ケアマネさんにとってもケアプランのAI化に関心が薄いのも当り前のように思います。

 

 

ところで、このようなケアプランのAI化について私の知人で元システムエンジニア2名に意見を求めたことがあります。

 

その時の、なるほどと感じたことを紹介します。

 

 

① 「介護の仕事って人が中心なのに、人間が不在の仕組みですね。」

 

人間不在の計画について、

 

例えば、学習塾で貴方の子供について相談したときに、コンピューターが最適な学習計画を作ったとしたら?

 

例えば、旅行会社で家族旅行の計画を相談したときに、コンピューターが最適な家族旅行を計画したら?

 

おそらく心情的に納得する人は少ないのでしょう。

 

一義的で明確な目的のための計画であれば、答えは決まっているのでそうでもないと思いますが、ケアプランの目的は必ずしも利用者本位とは限りませんし、利用者本位も相当曖昧な概念なので、心情的に納得するのが難しいのだと思います。

 

 

② 「そんなのAIじゃないよ。AIは世界を変えるもっとすごいものだよ。」

 

確かに、自動車やドローンの自動運転技術、金融市場のデータ予測技術などと比べると、ケアプランのAI化は人間が全く適わない領域ではないと思います。

 

したがって、人間が作ったケアプランとAIが作ったケアプランでは、(人間が作ったケアプランが余程おかしなものでない限り)、どちらが優れているかの判断は難しい気もします。

 

その意味では、ケアプランの品質改善ではなくて、ケアプラン作成の負担軽減が主なメリットなのでしょう。

 

 

以上をもとに、ケアプランのAI化は普及するのか私なりに考えてみたのですが、結論はあえて書かないことにしました。

 

私よりAIの方が正しい結論を導ける気がしたからです…。

 

 

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