女性が仕事を辞める理由を考えてみる

介祉塾の砂です。

 

女性活躍推進において、女性にいかに長く働いてもらうかということが大事です。

 

そのために企業側としては、採用段階でミスマッチとならないようにする工夫が必要です。

 

就業後よりも就業前でミスマッチを判断できるのであれば、離職する可能性が少なくなりますし、お互いにとっても有益だからです。

 

そこで企業では、本格的に就業する前に職場体験の機会などを設け、マッチングするケースが多いです。

 

 

では就業前のマッチングの精度を高めるために、何をしたらいいのでしょうか?

 

離職理由に関する統計があります。

 

厚生労働省「平成 29 年雇用動向調査結果の概況」から

 

 

いくつかの要因がありますが、もっとも多いのが「労働時間、休日等の労働条件が悪かった(14.7%)」で、3番目に多いのが「給料等収入が少なかった(10.5%)」です。

 

これらの離職理由について、求職者は応募前に労働条件を確認することや、職場体験などを通して担当者から説明を受けること、労働契約を結ぶ際には労働条件通知書が手渡されていることから、分かっているはずです。

 

しかし、このミスマッチはなかなか減らないのですね。

 

どうしてなのでしょうか?

 

 

実は採用段階で「労働時間、休日等の労働条件」や「給料等収入」が合っているのか、企業側は深く掘り下げて女性に聞かないことが多いです。

 

本人に合う合わないの判断を、任せていることが多いのです。

 

しかし、「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」「給料等収入が少なかった」という理由は、女性の生活環境の変化によって生じることがあります。

 

例えば、「(子育て中の女性であれば)子供が塾に行かないので家に帰って早めに送り出したい」「(遅く帰ると夜ご飯を用意できないので)夫が怒った」「(家族で田舎に帰省するから)お金が必要」など、色々な理由があります。

 

他にも女性特有の更年期障害も、長時間労働が難しくなる離職の要因になります。

 

企業の人事担当者は男性であることが多いので、女性の身体について疎いことも離職を促進します。

 

 

また2番目に多い理由として「職場の人間関係が好ましくなかった(13.0%)」というのも、必ずしも職場にのみ原因があるとは限りません。

 

私自身がコンサルティングにおいてよく聞くのが「(妻が夫に職場の人間関係の愚痴をこぼしたら)夫が仕事を辞めろと言ってきた」といった理由です。

 

妻の立場としては夫婦仲が悪くなるのであれば仕事を辞めざるを得ない、ということにもなります。

 

女性としてはただ話を聞いて欲しいだけなのに、男性側の理解不足で夫婦仲がこじれるわけです。

 

単純に「職場の人間関係が好ましくなかった」と捉えていいのかといえば、そうではありません。

 

 

このように離職理由を掘り下げてみると、ミスマッチが起こる要因は色々とあります。

 

必ずしも企業側に、一方的な責任があるわけではありません。

 

 

したがって、企業の採用担当者は採用前に夫の職業や子供の就学状況、シングルマザーの場合は近親者の状況など家庭環境についても確認しておくと良いです。

 

女性にとって家庭環境や生活環境の変化が、職業生活に及ぼす影響が大きいからです。

 

そして就業前にある程度の予測ができることであれば、就業後も企業側として積極的にフォローしていくことが大切です。

 

 

このように考えてみると離職理由の調査も、「会社による理由」と「会社以外による理由」に分けて掘り下げてみないと、実態が分からないのではと思います。

 

女性活躍推進のご相談は介祉塾に!

 

 

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