日々の記帳と経営 ②
介祉塾の砂です。
前回は、記帳業務をしっかりやらない会社の業績が低迷する理由を述べました。
その中でもっとダメだと思ったケースについてです。
顧問税理士の報酬を安く済ませたくて、記帳や年末調整・決算などの手続きだけを任せていて、ほとんどアドバイスを受けないケースです。
そのような会社は大体、翌月(遅れると翌々月)に当月分の売上や支払の明細を会計事務所に送ります。
例えば、3月末決算の会社についてです。
10月の介護保険請求や給与の支払いその他支出を行う(※)。
→ 会社は11月末までに売上や領収書、給与明細の写しを送る。
→ 会計事務所は12月末までに記帳の処理をする。
→ 翌1月に入ってから記帳したデータや月次試算表を送付する(早ければ12月中)。
※ 10月末時点では10月10日までに請求した9月分の介護報酬と支払日が10月にある9月分を含む給与の支払分が計上されます。
つまり、翌1月に分かるのは3ヶ月前の9月末時点の数字になります。
さて、翌1月の時点で3月末までに有効な節税対策を取れるでしょうか?
そもそも翌1月の時点で儲かっているのかも分かりませんし、さらに1~3月の間も収益がありますから、なおさら分かりません。
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節税対策だけでなく、例えば賞与や派遣契約、設備の購入など大きな支出の判断がとても難しくなります。
もしかしたら、支払った後に利益が出ていなかったことに気付くかもしれないからです。
この点については社会福祉法人でも変わりません。
なお、私が経営診断をしたケースですが、その会社は記帳をほとんどしておらず、毎期の利益がどれくらいになるのか分からずに経営していました。
そこで、利益が出て法人税を支払うのが嫌だったので、役員報酬を過大に取っていました。
金額としては売上高の3分の1になります。
毎期赤字です。
赤字が累積するので、当然に債務超過になります。
そうなると金融機関の融資を受けることが難しくなります。
そこで、経営者は役員報酬の一部を会社に貸付していました。
しかし、中小企業の場合は個人と会社は一体に扱われるので、個人に資産があっても、会社に負債があれば相殺されます。
例えば、社長個人が1,000万円を会社に貸し付けていた場合に、会社が1,000万円を使い込んでしまい会社にお金がなければ、社長個人の1,000万円の貸付金は(実質的に)存在しないと見るべきです。
この会社はあまり意味がないことをしていたのだと思います。
次回は、未来投資ができなかったため業績が伸び悩んだ会社についてです。